寝台特急『サンライズ瀬戸』に乗って0泊で新居の内見をしに行く男
高松へ引っ越すにあたってアパートを借りることになった。
これまで2軒の家でひとり暮らしをしたが、どちらも長野のド田舎でほかに選択の余地がなく、公営住宅だったので手続きもほとんど役所まかせ。名前書いてハンコ押したくらいしか記憶にない。まぁ初めて自力でちゃんとした賃貸契約を行うわけだ。どうしよう。
現地まで遠いのであまり何度も足を運ぶのは勘弁なのだが、とりあえず『内見』というやつが必要とのことなので、物件紹介サイトでビビッときた部屋を見に行くことにした。
■22:24
現地までの交通手段は、寝台特急『サンライズ瀬戸』を採用。なにこれ楽しそう。
お高いのかと思っていたが、ノビノビ座席というリーズナブルな席もあるらしい。往復割引で購入すると料金はぜんぶで2万7000円台。高速バスよりは高いけど、新幹線よりは多少割安。乗り換えなしで移動時間が夜なのは〇。メリット・デメリットともに両者の中間という感じかな。
ともあれ、22:24横浜発の列車に乗りこんだのであった。
■22:30
なるほどな、こういう感じか。
座席というから、ゆったりした新幹線みたいなのを想像していたよ。これはあれだ、ドミトリーだな。むかし泊まった沖縄の爆安宿を思い出して寒気がした。大勢が雑魚寝してる横で、朝まで爆音で音楽かけながらゲームして騒いでるやつらとかいねぇよな。
と思ったが、意外にもほかの人の音が聞こえてこない。多少話し声とか荷物のガサゴソ音とかしそうなものなのに。たぶん電車の走行音で些細な音が聞こえないだけなので、それが気になる人は対策が要るかも。
清潔だしスペースも十分。僕のような180超えの大男でも足がはみ出ない。床はちょっと硬いので、備え付けの毛布を敷いて、一応持ってきたシュラフにくるまる。枕は持参したほうがいい。
■07:27
ついた。
ノビノビ座席、唯一大きな難点として電源がないことが挙げられる。高松に到着するなりスマホの電池残量20%。これはいただけない。モバイルバッテリー持ってろよという話だが。
約束の10時まではまだだいぶあるので、駅ナカのUCCカフェプラザへ。これが計ったように7時半開店。各席で充電可能なのでモーニングを頼んでくつろぐ。
コーヒー美味い
■11:00
仲介業者の人に連れられ、物件を見学。いいじゃん。ネットで見るより広い。収納スペースは豊富だしエアコンも無料ネット回線もある。
隣はコンビニで、生活に必要な店もだいたい徒歩圏内。地図見た感じ釣り場も近い(ここ重要)。家賃は3万円台前半。地方最高かよ。
感じのいいおねいさん(美人)が親切に案内してくれて、言うことなしだったので即決。想像していたほど煩わしい手続きもなく、契約にむけて話が進むことになった。次くるときは引っ越しだぜ。
■13:00~夕方
暇だ。
帰りの電車まで8時間以上ある。
とりあえずうどんをキメて、商店街をぶらぶら。このアーケード街を歩くのは3度目くらいだが、複雑でちっとも全体像を覚えられない。
海まで歩いてまた商店街に戻り、寿司屋でビールを飲む。
優勝。ハマチめちゃくちゃ美味い。
■21:24
というわけで、帰りもサンライズ瀬戸で帰ってきた。
0泊3日。横になれるぶん寝台特急に分があるかもしれないが、昔とちがって高速バスも快適になってきてるしな。別にバスでもよかったかなとも思っている。
ただ、寝台特急ならではの情景もあって―
瀬戸大橋から坂出の工場夜景を眺めたり
クローズ後の大阪駅ホームで働く人たちの仕事を垣間見たり。
あとたまたま隣あった、日本語堪能な東欧系?外国人のおねいさん(美人)とちょっと話したりもして(人見知りなので普段は絶対こういうことできない)。
銀河鉄道みたいなエモさがあった。
ちょっとドキドキしてぜんぜん寝られなかったけどな。