海辺のカラス

四国高松で暮らすことになった僕の家出少年的日誌と釣行記

【ルアー】『過ぎてきた日々全部で今のあたしなんだよ』/TKLM9/11

タイトル出典:YUI『LIFE』,作詞・作曲YUI,2005

先日、Facbookで知人から『過去釣果リレー』のバトンが回ってきた。

こんなときこそ昔の釣果を見たり発信したりすれば楽しいよな。素敵な企画だ。と思いながらHDDのフォルダを漁っていたら、なんと初めてルアーで釣ったシーバスの画像が出てきた。

 

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見よ、このガラケー感。画像に打ち込みで書き込んじゃうセンスのなさよ。
当時2007年。YUIau LISMOのCMで『CHE.R.RY』歌ってた。あの無愛想で目つき悪くて音楽番組出てもろくに返事もしなくて、グレーのパーカーにジーンズでステージであぐらかいてギター弾いてた最高にカッコイイYUIはどこ行っちゃったんだよ!と全僕がテレビ画面に向かって抗議した。

そんな僕が初めてシーバスを釣ったルアー『TKLM9/11』について振り返りたい。

■TKLM9/11/タックルハウス

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もうなにをいまさらという名作ルアー。発売年2001年って、まだ中学生だぞ僕。YUIまだデビューしてねぇ。語れることほぼないんじゃないかこれ。

読み方はそのまま「てぃーけーえるえむ」。9/11は、9㎝ 11gを意味するが、ここはなんて読むかわからない。公式もHPやインスタではTKLM90と謳っていたりする。

フローティング・リップレスミノーの王道。レンジは水面下30㎝前後のイメージで僕は使用する。明確な流れのない港湾・運河から河川・河口、シャローからストラクチャー周りまで使えるシチュエーションは様々。

■I rememver you

僕の初シーバスは、湘南・引地川。渋すぎる。

いまとなっては考えられないが、最初のころ、僕は東京湾でシーバスが釣れることを知らなかった。『シーバス=湘南』という、初心者にとってはこのうえないハードモード。だって高校生のときよく湘南界隈の川でセイゴ~フッコ、イシモチ、ウナギのエサ釣りをしていたし、YUIも東京は怖いって言ってた。

この日までに幾度となくボウズを食らい、河口付近をやめて向かったほぼ淡水域。なんとなくの瀬と深みが交互にあり、コイが背びれだして泳いでる。そんなエリア。

はじめに投げた無名の安物ミノーは即ボトムを小突いて使い物にならないことが判明。百均のBOXには、漠然と湘南のフィールドをイメージして買ったサラナ125Fや魚道110。こいつらもこんな小さい川では話にならん。そこで友達に教えてもらったTKLMをチョイスした。というか、浅すぎてこれしか通せない。

まだU字ターンもドリフトも知らないころ。なんとなく水面が鏡になってちょっと水深のありそうな溜まりにどダウンで放り込む。潜ると根がかりするので、ロッドを立てて、ゆーっくり巻いてくる。すると、底にあたらないコースがだいたいわかってきた。

数投目。とてつもない衝撃(に感じた)がロッドを襲い、暗くてよく見えない10mほど先の水面で爆裂音(に聞こえた)が鳴り響いた。なにをどうしたか覚えてないが、数十秒後、57㎝のフッコが足元に横たわっていた。ここからの経験がいまの僕の釣りを形作っているんだなと思うと、ちょっと感慨深い。

 ■How crazy

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僕のなかでは、やっぱり東京湾の港湾シャローがこのルアーのお得意シーン。明暗に流し込む釣りも好きだけど、TKLM9/11は巻きで十分威力を発揮する。特にベイトがイナッコやイワシのとき。昨年秋に横浜エリアがマイワシの接岸に沸いた時期、シャローとストラクチャー、常夜灯を絡めたポイントで連発したのが思い出深い。

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このバイトの深さである。

あと、このルアーの使用者が口を揃えて言う『ワープスライド』と呼ばれるダートアクション、あれマジですごいから。最初名前きいたときワインドみたいなイメージをしたのだが、そんなに横っ飛びしない。ていうか、変なダートだなという印象。

半月状のボディーが横倒しになりながらS字を描くような、ヌメっとしたスライド。ラインスラックをはじくのではなく、低~中速で巻きながらティップでルアーの頭をクイッと水に噛ませるようなショートジャークで発動する。

こんなんで釣れるのかと思うのだが、これがちゃんと釣れる。夜のシャローはもちろん、デイゲームの壁際もアツい。壁際の水深が深すぎないのと、風が岸壁に当たっているという条件がいいシチュエーションだ。

2020年の現在もなお、一軍BOXから外せない超現役。店舗によっては、さすがに最新ルアーたちによって売り場の端の方へ追いやられてしまった感もあるが、まぁ普通にどこでも買える。このルアーが僕をこの釣りの沼へ引きずり込んだといっても過言ではない。こいつをスナップに通せば、いつだってはじめてシーバスを釣ったあのころに戻れる。そんな My Generation